ポール・W・S・アンダーソン監督の「モンスターハンター」は、2020年12月に公開されたが、観客が映画館から離れていたため、多くの人未見のままとなっている。これはアンダーソン監督のキャリアの中で唯一のボックスオフィスでの失敗作だが、ミラ・ジョボビッチとのコラボレーションの中では最高のものの一つであり、ゲームのスケールや危険を効果的に表現している。
物語の舞台は異世界転生の設定で、キャプテン・アルテミス(ジョボビッチ)率いる国連合同警備隊が砂漠での神秘的な失踪事件を調査するうちに、数々のモンスターと仲間のハンター(トニー・ジャー)に出会う。ロン・パールマンも登場し、彼の野生的な姿に目を引かれる。
アンダーソン監督は、モンスターの規模感をしっかりと捉えている。広大な風景には巨大な骨や、ヒーローたちが巨大的な武器でモンスターに立ち向かう様子が描かれ、スローモーションを効果的に使って壮大な幻想世界を表現している。また、映画全体の映像美も素晴らしく、明るい砂漠のシーンと、色彩が丁寧に配置された暗いシーンとのコントラストが際立つ。
さらに、「モンスターハンター」はジャンルを融合させた作品でもある。一見すると軍人が巨大生物に立ち向かうファンタジー映画だが、歴史的なモンスタームービーからの要素が巧妙に織り交ぜられている。友達のような関係を築いていくアルテミスとハンターのやり取りも魅力的で、言語の壁を越えたコミカルなダイナミクスが見どころだ。
編集スタイルについては賛否が分かれるが、高速編集の結果、アクションシーンでは流れるような動きが損なわれることもある。アンダーソン監督は、彼のビデオゲームの適応に対する情熱を持ち続けている。今後の続編の可能性も示唆されており、モンスターハンターのユニバースがさらに広がることに期待が寄せられている。
「モンスターハンター」はHuluで視聴可能。