Razerは新しい開発者プラットフォーム「Wyvrn」によりAIの領域に進出しています。このプラットフォームには、品質保証やゲームテストを支援する「Razer AI QA Copilot」や、リアルタイムでのゲームプレイ中に音声アシスタントとしてヒントやガイドを提供する「AI Gamer Copilot」(以前はProject Avaと呼ばれていた)などの自動化ツールが含まれています。
「Wyvrn」は、次世代のChroma RGBプラットフォーム、THX Spatial Audio Plusゲームプラグイン、RazerのSensa HD Hapticsソフトウェアの傘下でもあります。中でも重要なのは「AI QA Copilot」で、Unreal Engine、Unity、C++で開発された特殊なエンジン用のクラウドベースのプラグインです。このツールは、AIを活用して手動の品質保証テストの時間とコストを削減することを目指しています。
品質保証は、ビデオゲームにとって非常に労働集約的なプロセスであり、テストやバグの手動記録に多くの時間を要します。AIアシスタントはテスト中のゲームを観察し、バグやパフォーマンスの問題(フレームレートの低下など)を自動的に特定し、QAプレイテストレポートを作成することができます。Razerは、AIが手動テストに比べて20〜25%多くのバグを特定でき、QA時間を最大50%、コストを最大40%削減できると主張しています。
このようなツールが導入され成功した場合、QAチームの社員数にどのような影響が生じるかは容易に想像できます。Razerはすでにゲーム開発サービス会社のSide(以前のPTW)と提携し、AI QA Copilotを自社のQAチームに統合する予定です。
さらに重要な要素として「AI Gamer Copilot」があり、競争型マルチプレイヤーゲームの戦術や難易度の高い敵の攻略法についてリアルタイムのアドバイスを提供するAI音声アシスタントです。この技術についてはCESで短いデモが行われ、実際にリリースされることが期待されています。
他にも、Wyvrnプラットフォーム下の発表としては、シミュレーションレーシングゲームとの統合を進める「Razer Sensa HD Haptics」や、Wwise用のTHX Spatial Audio Plusプラグインがあります。これにより、ゲーム内でより没入感のある3D音響体験が提供されることが期待されています。